5歳の頃、家の敷地でコマ付自転車の練習をしていたら、
30mほど向こうからイノシシがノッシノッシと歩いてきた。
その光景は20年以上経った今も思いだせる。

素直で愛らしかった俺は、家屋に戻り呑気な口調で
｢ママ－、いのししきたぁ～｣とだけ言ってどこかへ行ったそうで、
後に母親が語ったところでは、｢この子、頭弱いんか？｣くらいに思ったとの事。

その後イノシシは我が家の土間部分に進入し、上りかまちへ逃れる母親の尻を
鼻先でつっついたくらいで裏山へと消えたそうだ。

ちなみに俺は当時飼っていた犬の小屋の中へ隠れていた。それも未だに覚えてる。
犬は俺と一緒に、小屋の中でしっぽを巻いて震えていたが、
いのししが山へ戻る頃になると猛然と吠えだしたらしい。