内科医の知り合いと世間話をしていたら、
「最近の老人は老化を病気と勘違いしている」という話になった
自分の体の不調は取り敢えず病院に行けば治る、
治る薬や注射が絶対にある、と老人達は思っているらしい
だからうっかり「老化現象だから治せない」と言うと、
「ヤブ医者だね」だの、「あっちの病院の先生の方が優秀だ」だのと平気で言うらしい
そう言えば私の母親にもそう感じた事がある
母は週に3回くらいジムに行って水泳したりエアロビしたりしているらしいのだが、
疲れた、足が怠くて起きるのがつらい日がある、だから家の掃除ができない、と言うのだ
30代社会人の私だって、
普段の生活にちょっと長い距離を歩く時間ができたら足が怠くなるというのに、
すぐ病院に行って何かの薬を処方してもらってくるらしいのだ
あと、手や顔にシミができる度に皮膚科に行ってレーザーで薄くしてもらっているらしい
70歳なら普通にあるような小さなシミでも我慢できないと言いながらだ
内科医は「老化を『一生付き合う自然現象』と認めればもっと楽に生きられるのに」と言っていた
その時はなるほどなぁと思った
けど、病院に行って何かを成し遂げたように喜々として私に電話で報告してくる母を見ると、
老人は老人なりにそういう日々の自分の変化を楽しんでいるのではないかなぁとも思える
取り敢えず母が幸せに暮らしているのなら私は何も文句がないわけで

でもやっぱり家の掃除はやった方がいい
父は何も言わないが、きっと内心むっとしている…