百足よりも後輩よりも、そのダニが自分は恐ろしかった
最近あった不思議な出来事を書き込むスレ その2
http://toro.2ch.net/test/read.cgi/occult/1380257932/
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32 :本当にあった怖い名無し :2013/10/03(木) 22:44:49.80 ID:ANzrGXfU0
長くなる妙な話。
出勤中に上から鳥が降ってきた。
結構な大きさで茶色の色合いから多分鳶かと思うが、それが目の前に落ちてきた。
ゴスッ、と音が響いた時はびびったがその後それの対処に困った。
結局、そのままガードレールの外の草むらにのけた。
出勤して仕事も一段落したいつも通りの昼休み。
ふと、その事を話してみた。
「やっぱりあれは丁度寿命だったんですかね?」
それに年配者の多い職場の中で、比較的若く自分も兄のように慕っている先輩は
「そうだとしても不吉じゃねぇか?」
とちゃかしそのまま盛り上がった。
暫くしてこの職場でもっとも若い後輩が通りかかった。
この後輩は色んな意味で一目置かれているので先輩方も皆声をかけた。
もう既に昼は食べたので腹ごなしに仕事の見直しに向かっていたそうだ。
それを多少強引に阻止して強制的に話に参加させたのは、
その場にいた全員が《色んな意味》で一目置かれる後輩の言葉を
聞いてみたかったからかもしれない。
出勤中に上から鳥が降ってきた。
結構な大きさで茶色の色合いから多分鳶かと思うが、それが目の前に落ちてきた。
ゴスッ、と音が響いた時はびびったがその後それの対処に困った。
結局、そのままガードレールの外の草むらにのけた。
出勤して仕事も一段落したいつも通りの昼休み。
ふと、その事を話してみた。
「やっぱりあれは丁度寿命だったんですかね?」
それに年配者の多い職場の中で、比較的若く自分も兄のように慕っている先輩は
「そうだとしても不吉じゃねぇか?」
とちゃかしそのまま盛り上がった。
暫くしてこの職場でもっとも若い後輩が通りかかった。
この後輩は色んな意味で一目置かれているので先輩方も皆声をかけた。
もう既に昼は食べたので腹ごなしに仕事の見直しに向かっていたそうだ。
それを多少強引に阻止して強制的に話に参加させたのは、
その場にいた全員が《色んな意味》で一目置かれる後輩の言葉を
聞いてみたかったからかもしれない。
33 :本当にあった怖い名無し :2013/10/03(木) 22:45:59.37 ID:ANzrGXfU0
「な?ちょっとすげぇだろう?」
そう言って、また先ほどのように盛り上がろうとしたとき
「嗚呼!だからですか!」
後輩が声を上げた。
その場によく響く大きな声で少し興奮したかのように上げられたそれに、一斉に後輩を見る。
後輩は嬉しそうな表情で、手の甲にいつの間にか這っていた百足を撫でていた。
それなりの大きさの百足を手に這わせ撫でている姿もある意味恐ろしいが、
元から虫と話せるらしいと噂がある後輩なので違和感はなかった。
けれども後輩は納得したように何度もうなずいて、こちらを手で示す。
「先輩の鞄に軟膏があるでしょう?そこに何でいるのかなー?って思ってたんですよ。
成る程!それならそこにいても不思議じゃないですね。」
とっさに、後輩の言う鞄、もといウェストポーチを開いた。
怪我をしたならオ□ナインという家族だったので、 中に確かに軟膏は入れている。
円陣を組んだように座っていた自分たちの目の前に、
小さいオ□ナインの容器を掌の上にのせ出した。
どういう意味なのか、理解できなかったからかなかなか開こうとはしなかった。
しびれを切らしたのか後輩が掌の上で容器の蓋を開いた。
その中には、灰色の粒があった。
綺麗な川にあるような小石にも似たそれは、
よく見ると小さな黒い毛のような物が蠢いていた。
「…ダニ?」
誰が言ったのか分からなかったが、それは確かにダニだった。
そう言って、また先ほどのように盛り上がろうとしたとき
「嗚呼!だからですか!」
後輩が声を上げた。
その場によく響く大きな声で少し興奮したかのように上げられたそれに、一斉に後輩を見る。
後輩は嬉しそうな表情で、手の甲にいつの間にか這っていた百足を撫でていた。
それなりの大きさの百足を手に這わせ撫でている姿もある意味恐ろしいが、
元から虫と話せるらしいと噂がある後輩なので違和感はなかった。
けれども後輩は納得したように何度もうなずいて、こちらを手で示す。
「先輩の鞄に軟膏があるでしょう?そこに何でいるのかなー?って思ってたんですよ。
成る程!それならそこにいても不思議じゃないですね。」
とっさに、後輩の言う鞄、もといウェストポーチを開いた。
怪我をしたならオ□ナインという家族だったので、 中に確かに軟膏は入れている。
円陣を組んだように座っていた自分たちの目の前に、
小さいオ□ナインの容器を掌の上にのせ出した。
どういう意味なのか、理解できなかったからかなかなか開こうとはしなかった。
しびれを切らしたのか後輩が掌の上で容器の蓋を開いた。
その中には、灰色の粒があった。
綺麗な川にあるような小石にも似たそれは、
よく見ると小さな黒い毛のような物が蠢いていた。
「…ダニ?」
誰が言ったのか分からなかったが、それは確かにダニだった。
34 :本当にあった怖い名無し :2013/10/03(木) 22:47:02.89 ID:ANzrGXfU0
よく犬についているのをみるような、そんなダニ。
「貰いますね~。」
それをひょいと掴むと手のひらに転がす。後輩は特に何を気にした様子もなく
手のひらの上でコロコロと転がるダニを見ている。
「おなかいっぱいのようですから動けないんですね~。」
そんな事を言う後輩の手のひらに百足が移動する。
そして、後輩と同じく何の疑問もなく丸く膨らんだダニを、飲み込んだ…のだろうか?
そう見えた。
「まあ、なっちゃったみたいなんで貰っちゃいました。」
そう言って後輩は頭を下げた。
「食べ癖は、ない方がいいですけど仕方ないですよね。もうなっていましたし。」
自己完結したようなそれに答えられなかった。
後輩はそのまま仕事の見直しに向かっていった。
正直、頭が追いついてない。
何故百足にダニを与えたのか。
何が何になったというのか。
何故軟膏を持っていてそこにダニが居ることが分かったのか。
何よりも、
新調したてのきちんと閉めていたウェストポーチの蓋のきちんと閉まった軟膏の容器の中に
ダニが入っていたのか。
疑問は尽きないが、漠然と百足よりも後輩よりも、そのダニが自分は恐ろしかった。
「貰いますね~。」
それをひょいと掴むと手のひらに転がす。後輩は特に何を気にした様子もなく
手のひらの上でコロコロと転がるダニを見ている。
「おなかいっぱいのようですから動けないんですね~。」
そんな事を言う後輩の手のひらに百足が移動する。
そして、後輩と同じく何の疑問もなく丸く膨らんだダニを、飲み込んだ…のだろうか?
そう見えた。
「まあ、なっちゃったみたいなんで貰っちゃいました。」
そう言って後輩は頭を下げた。
「食べ癖は、ない方がいいですけど仕方ないですよね。もうなっていましたし。」
自己完結したようなそれに答えられなかった。
後輩はそのまま仕事の見直しに向かっていった。
正直、頭が追いついてない。
何故百足にダニを与えたのか。
何が何になったというのか。
何故軟膏を持っていてそこにダニが居ることが分かったのか。
何よりも、
新調したてのきちんと閉めていたウェストポーチの蓋のきちんと閉まった軟膏の容器の中に
ダニが入っていたのか。
疑問は尽きないが、漠然と百足よりも後輩よりも、そのダニが自分は恐ろしかった。
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